毎日の小さな良いことを見つける - 今日から始める簡単感謝ルーティン
退職後の新しい生活が始まり、時間にゆとりができた一方で、日々の生活に以前のような張りやメリハリがなくなってしまった、と感じていらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。漠然とした不安を感じたり、つい一人で考え込んでしまったりすることもあるのではないでしょうか。
そんな時、無理なく、そして今日からすぐに始められる簡単なルーティンがあります。それは、日々の生活の中で「小さな良いこと」を見つけ、それに感謝する時間を持つことです。
なぜ「小さな良いこと」を見つけることが大切なのでしょうか?
私たちの心は、つい「できていないこと」や「不安なこと」に焦点を当ててしまいがちです。しかし、意識的に「小さな良いこと」や「感謝できること」に目を向ける時間を設けることで、心の状態は少しずつ変わってまいります。
これは、脳科学的にも良い影響があると言われています。ポジティブな感情を感じることで、脳の活動が活発になり、気分が前向きになったり、ストレスが軽減されたりする効果が期待できます。特別な道具や難しい準備は一切必要ありません。ご自宅で、あるいは外出先でも、すぐに試していただけます。
今日から始められる簡単な「感謝ルーティン」
では、具体的にどのように始めれば良いのでしょうか。いくつか簡単な方法をご紹介いたします。ご自身のペースで、心地よいものから試してみてください。
1. 夜寝る前に「今日の良かったこと」を3つ思い出す
一日の終わり、布団に入った時や、椅子に座ってリラックスしている時などに、今日あった「良かったこと」を3つだけ思い浮かべてみてください。
- 例えば、「朝、美味しくコーヒーが飲めた」
- 「散歩中にきれいな花を見かけた」
- 「昔の友人から電話があった」
- 「夕食の準備がスムーズにできた」
このように、どんなに小さなことでも構いません。当たり前だと思っていたことの中に、実は多くの「良かったこと」が隠れています。「思い出すのが難しいな」と感じる日は、1つでも2つでも大丈夫です。続けていくうちに、自然と見つけられるようになっていきます。
もし、書き出す方が落ち着くという場合は、ノートや手帳に書き留めるのも良い方法です。
2. 朝起きたら「当たり前」に感謝してみる
新しい一日が始まる朝、ベッドの中で目覚めた時や、窓を開けた時などに、今自分が持っている「当たり前」だと感じているもの一つに意識を向けて、感謝の気持ちを感じてみましょう。
- 「目が覚めて、新しい一日を迎えられた」
- 「温かい布団で眠れた」
- 「水道をひねれば水が出る」
- 「朝刊が届いている」
最初は少し照れくさいかもしれませんが、毎日当たり前のように享受していることの中に、たくさんの恵みがあることに気づかされます。これが、一日を穏やかな気持ちで始める助けとなります。
3. 日中に「美しいもの」「心温まるもの」を探してみる
散歩中や、窓から外を眺めている時、あるいは家の中で過ごしている時など、日中に意識的に「美しいな」「良いな」「心が温まるな」と感じるものに目を向けてみましょう。
- 空の色や雲の形
- 街路樹や公園の緑
- 道端に咲いている小さな花
- 地域の方との短い挨拶
- 近所の子供たちの元気な声
- お気に入りの雑貨や家具
スマートフォンで写真を撮ったり、特別なメモを取ったりする必要はありません。ただ、心の中で「綺麗だな」「嬉しいな」と受け止めるだけで十分です。日々の生活の中に、小さな喜びが沢山隠れていることに気づくことができます。
無理なく続けるためのヒント
この「感謝ルーティン」は、完璧を目指す必要はありません。毎日続けられなくても、「昨日はできなかったけれど、今日はやってみよう」というくらいの軽い気持ちで向き合うことが大切です。
「〜しなければならない」と義務のように感じてしまうと、かえって負担になってしまいます。「気が向いた時に」「できそうなことから」始めてみるのが、長続きさせる秘訣です。
まとめ
日々の生活に「小さな良いこと」を見つけ、感謝する時間を持つことは、心の平穏に繋がり、毎日をより豊かに感じさせてくれる簡単なルーティンです。
夜寝る前に良かったことを思い出す、朝に当たり前に感謝する、日中に心動くものを見つけるなど、どれも今日からすぐに始められることばかりです。特別な準備は必要ありません。
ご自身のペースで、心地よいと感じる方法を試しながら、毎日の暮らしの中に穏やかな感謝の時間を少しずつ取り入れてみてはいかがでしょうか。きっと、日々の見え方が少しずつ変わってくることと思います。